René Magritte
ルネ・マグリット

1898年ベルギーのエノー州レシーヌ出身の画家。1910年からデッサンを始め、1916年から2年間、ブリュッセル王立美術アカデミーでコンスタン・モンタルドに師事し、画家でポスターデザイナーでもあるジスベール・コンバの指導も受けた。1918～24年にかけて描いた絵画は、印象派だけでなくジャン・メッツィンガーのキュビズムにも影響を受けたものだった。

1926年、ポスターや広告デザイナーとして活動しながら、初めてシュルレアリスムの作品『Le jockey perdu（迷える騎手）』を制作。1934年から3年間は、「エメール」というペンネームで、ドイツのトーキー映画配給会社『トビス・クラングフィルム』のために映画ポスターも制作していた。

第二次世界大戦期は、ドイツに占領下のブリュッセルに留まり、1943～44年にかけて色彩豊かな絵画的な作品を制作。この時期は「ルノワール期」として知られている。1947～48年の「ヴァッシュ期」には、挑発的で粗野なフォーヴィスム様式の作品を制作し、1948年末に戦前のシュルレアリスム芸術のスタイルとテーマに立ち返った。

マグリットは、シュルレアリスムを代表する存在で、身近な物を未知の文脈で描写し、現実と表現の本質と境界についてしばしば疑問を投げかける作品で知られている。1960年代になると、マグリット作品への関心が著しく高まり、ポップアートやミニマリストアート、コンセプチュアルアートに大きな影響を与えた。